コラム Column

悠々読書記

忘却探偵シリーズ3:掟上今日子の挑戦状:西尾維新<小説>

2015年11月14日 執筆

2015年10月19日読了
掟上今日子の挑戦状

作者:西尾維新
出版社:講談社

忘却探偵シリーズの3作目です。
先の2冊は書き下ろしでしたが、
本書は『メフィスト』に掲載された
3作がまとめられたものです。

それに、先の2冊は語り手を変えながら
一人称で書かれていましたが、
今回は三人称で書かれています。

二作目の感想でも書きましたが、
やはり、作者はあえて語り手や書き方を変えて、
掟上今日子さんを描こうとしているのかもしれませんね。

本作では3話の短編が収録されていますが、
それぞれ登場人物が違っています。
2作は今日子さんに捜査依頼をする警察官、
もう1作は殺人犯を中心に物語が進みます。

今回の面白さは、「眠ってしまったら記憶がリセットされる」
というデメリットともいえる今日子さんの特徴を
敢えて積極的に利用して、 自ら記憶をリセットする、
という行動を見せているところです。

ただ、語り手となる人物を変えていることで
逆に不自然さを感じるのは、
どの人物も同じような印象をもって
今日子さんのことをとらえているところです。
多角的に今日子さんを描くのであれば、
見る人によって多少の印象の違いがありあそうですが、
それを感じ取ることができません。

例えば、無口な人を見たとき、
ある人は「暗い」と感じ
ある人は「おとなしい」と感じ
ある人は「奥ゆかしい」と感じるような
違いを見ることができません。

だから、油断していると、今日子さんを映している視点が
変化していることを意識せずに読めてしまいます。

今日子さんという人物が、それだけブレのない
キャラクターであるとも言えるのですが、
今日子さんの一環した行動が様々な受け取り方をされ、
それ故に面白い反応が生まれる・・・
みたいなことがあってもいいんじゃないかと
思ったりしたわけです。

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