コラム Column

悠々読書記

忘却探偵シリーズ4:掟上今日子の遺言書:西尾維新<小説>

2015年11月15日 執筆

2015年10月22日読了
掟上今日子の遺言書

作者:西尾維新
出版社:講談社

忘却探偵シリーズ4作目です。

今作は一人称に戻り、かつ語り手も第一作に登場した
隠館厄介(かくしだて やくすけ)くんが復活しました。

今回、最初に他の3作と違うと感じたのは、
各章のタイトル。

第一作 掟上今日子の備忘録では、
第一話 初めまして、今日子さん
第二話 紹介します、今日子さん

第二作 掟上今日子の推薦文では、
第一章 鑑定する今日子さん
第二章 推定する今日子さん

第三作 掟上今日子の挑戦状では、
雑誌発表の短編ということもあってか
第一章 掟上今日子のアリバイ証言
第二章 掟上今日子の密室講義
というように、本のタイトルと同じ形を取っています。

そして、この四作目については、
第一章 入院する隠館厄介
第二章 依頼する隠館厄介
と、目次に今日子さんの名前が出てこなくなりました。
今回は長編の読み切りということもあって、
今日子さんが登場しない章もあったからかもしれません。
が、これで中身がこれまでの変わったということはありません。

ところで、2冊目で警備員に任命された親切守くんが
登場しないのですが、どうなっているのでしょうか。

本によって語り手が違っているので、
必ずしも時系列が発行された本の通りではないかもしれませんが、
厄介くんがそのことを知った時のショックを考えると
楽しみでしょうがありません。

読者とすると、発行された順に時間が流れていると
思ってしまいます。
今日の次は明日だし。
今日の前は昨日だと感じます。
しかし、今日子さんが、
今日の次も今日でしかないように、
断片で語られるストーリーに順番なんてないのかもしれません。
そこにこそ、作者の罠があるかも。
なんて深読みをしてみましたが、どうなのでしょうか。

もしかしたら、親切くんは、
厄介くんよりずっと前に出会っていたのかもしれないし、
逆に、ずっと後の話なのかもしれません。

さて、今回のお話は、なかなか考えられていますが、
どうも切れ味が悪いように感じます。
スッキリしない部分が所々にあり、
もしかしたら、その未消化な部分は
次回作で解決されるのでしょうか。
事件も一応の解決をするのですが、
決定的な証拠もなく、証言もありません。
そうなのかもしれない、
その可能性が高いよね、という感じ。
まあ、依頼の内容自体はクリアしているので良いのかもしれませんが。

そんなわけで次回作に期待することにしましょう。

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