コラム Column

悠々読書記

江戸川乱歩傑作集1:孤島の鬼:江戸川乱歩<小説>

2015年12月03日 執筆

2015年11月20日読了
江戸川乱歩傑作集 (1) 孤島の鬼

作者:江戸川乱歩
出版社:リブレ出版

いや、面白かった。

実は、江戸川乱歩の本ってあまり読んだことがなかったんです。
ふと、こういった過去の名作もちゃんと読んでみよう、
と手に取ったのですが、本当に面白かった。

昭和4年に書かれた作品で、
舞台は大正時代。
でも、読んでいてそんな古さを一切感じませんでした。
もちろん、時代背景は今とは全く違います。
それでも、その情景が違和感なくイメージできました。

主人公が自分の容姿や妻の傷痕について
他人から好奇の目を向けられる説明から始まり、
その理由を説明するために、
本書を書き綴ったという形式をとっています。
だから、一般的な一人称の小説の書き方ではなく、
日記のような書き方で進みます。

通常一人称だと、読者は主人公の視点に感情移入して
物語を読み進めるのだと思いますが、
日記的な一人称なので、知り合いの告白を興味深く
聞いているというような立場になります。

そうすると、現実感がないと嘘くさい話として
読者がしらけてしまう可能性もあると思いますが、
この話では、そんなしらける感じがなく、
むしろより強い現実感があるように受け取れます。

もう一度最初から読みたいと感じさせる作品でした。

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